ポーカーの一種として親しまれているパイゴウポーカーですが、普段ゲームをしない方はご存じないかもしれません。
しかし、駆け引きよりも計算を楽しみたいという方にとっては見所が多いゲームなので、ルールや遊び方を知っておいて損はありません。
そこでこの記事では、パイゴウポーカーの役の強さや用語、基本的なルール、そして覚えるべき戦略について解説していきます。
今まで興味のなかった方も、この記事を通してパイゴウポーカーの世界に触れてみてください。
目次
パイゴウポーカーとはどんなゲーム?

中国には「パイゴウ」という名前の、ドミノのような形をした牌を使用して行うゲームがあるのですが、これをトランプに応用したものがパイゴウポーカーです。
国内でも馴染みがある方が多い、ポーカーの新しい形として愛されており、オンラインカジノの流行に伴って日本人の間にも徐々に浸透しつつあります。
元になっているパイゴウは「牌九」という漢字で表現され、19世紀末ごろから中華圏内で広まったという説が有力です。
発音的には「パイガオ」と呼ばれることもあり、こちらも一部のカジノでは親しまれていることから、有名になりました。
パイゴウポーカーと一般的なポーカーの違い
それでは、一般的に行われているポーカーとの具体的な違いはどこにあるのかを見ていきましょう。
パイゴウポーカーは一般的なポーカーの知識を生かすこともできますが、まったく異なる遊びでもあるのでポーカーに飽きてしまったという方にもおすすめです。
ディーラーとプレイヤーが1対1の勝負をする
一般的なポーカーはプレイヤー同士が心理戦によって勝負を行いますが、パイゴウポーカーはディーラーとプレイヤーによる1対1で勝負します。
ただし、ディーラーはルールに従いながらカードを引く役目を担うに過ぎませんから、ディーラーの良し悪しによって勝敗が左右されることはありません。
そのため、熟練のディーラーが相手に回った場合でも、初心者の方が大勝できる可能性は十分に残されているエキサイティングなゲームといえます。
7枚のカードをハイハンドとローハンドに分けて勝負する
最初に7枚のカードがランダムで配られ、このうちの5枚をハイハンド、2枚をローハンドに分け、互いのハンドを見比べて勝負します。
ハンドの組み方は原則として自由で、ハイハンドにより高い手札をそろえる必要がある点がゲームにおける最大のルールです。
ハイハンドとローハンドの両方でディーラーを上回る場合は勝ち、反対に両方で下回っている場合には負けになります。
ハンドの強さが同じだった場合にはディーラーの勝ちになり、自分のハイハンドとローハンドの両方が同じ役の場合も、「コピーハンド」という扱いになり、ディーラーの勝利となります。
ハイハンドとローハンドの勝敗が1対1だった場合には、この勝負は引き分けとして扱われ、賭け金はすべて返金となります。
ロイヤルストレートフラッシュよりも強い役が存在する
ポーカーで最強の役といえばロイヤルストレートフラッシュですが、パイゴウポーカーの場合にはそれを上回る役として「ファイブ・オブ・アカインド」が存在します。
これはエース4枚とジョーカーの組み合わせで、すべて同じスート(柄)の10~Aまでをそろえたロイヤルストレートフラッシュにも勝る最強の役です。
成立する可能性は0.0007%とされており、当然ながら5カードは手持ちのカードが5枚になるハイハンドでしか成立させることができません。
ローハンドにおける最強の役は至ってシンプルで、同じ数字が2枚そろった「ワンペア」です。
高い役に特別な配当がない
パイゴウポーカーでは、高い役を成立させたとしても特別な配当が出ないので、無理に難しい役を作ろうとする必要がありません。
両ハンドでバランスよく役を作るほうが勝ちやすく、同時に負けにくくもなるので、堅実にゲームを進めたい方との相性がいいです。
パイゴウポーカーのゲームの進め方

ここでは、初めての人にもわかりやすく、パイゴウポーカーのゲーム手順を解説します。
① ベットする
まずはいくら賭けるかを決めてベットします。
この段階では、自分の手札もディーラーの手札も、どちらも見ることができません。
ベットを済ませると7枚のカードが配られ、ここから先はリタイアすることが認められなくなるので、賭け金を誤らないように注意しましょう。
② 配られたカードを2組に分ける
7枚のうち5枚をハイハンドに、残る2枚をローハンドに分けます。
このとき、必ずハイハンドがローハンドを上回る組み合わせにする必要があります。
このルールを破ったり、間違って組み合わせたりすると、反則で負けになってしまいますから、しっかりと計算を済ませてから組み合わせを確定させてください。
例えばハイハンドが「2、4、5、7、Q」でローハンドが「8、K」だった場合、ハイハンドがハイQでローハンドがハイKとなり、ローハンドのほうが強くなってしまいます。
つまり、この手札は反則となり、このまま公開すると相手の役とは無関係に負けになってしまいます。
③ 最初に配られたカードだけで手札が決まる
通常のポーカーでは、ここから手札を強くするためにデッキからカードを取って交換を繰り返していきますが、パイゴウポーカーに交換のルールはありません。
最初に配られたカードだけで手札を決めるため、複雑にカードを入れ替える必要はありません。
前述したルールに触れないように両方のハンドを強く整えられるように計算することが、このゲームの奥深い要素になります。
④ 手札を公開して勝負する
手札が決まったらディーラーと同時に公開し、双方それぞれで作ったハンドを見比べて、勝敗を決します。
勝ち負けの決め方は前述した通りで、ハイハンドとローハンドの両方で相手を上回る場合は勝ち、下回る場合が負けです。
片方だけが勝ち、片方が負けの場合は引き分けとなり、ベットした賭け金が手元に戻されます。
そのため、最初の7枚を見極めて両方で勝つことが難しいと判断した場合は、ハイハンドを極端に強くするなどの戦略を取ることが求められます。
役は通常のポーカーの役を使用しますが、ファイブ・オブ・アカインドだけは例外として扱われますので、ご注意ください。
ここからは、パイゴウポーカーの役について詳しく解説します。
パイゴウポーカーの役の種類

ここからは、パイゴウポーカーで使われる役の種類を強いものから紹介していきます。
なお、ロイヤルストレートフラッシュの出現確率について解説している記事内ではさらに詳しく紹介しているので、こちらもご一読ください。
ハイハンドの役
・ファイブ・オブ・アカインド
エースが4枚とジョーカー1枚の組み合わせで成立するパイゴウポーカー独自の役であり、最も強い役でもあります。
■ロイヤルストレートフラッシュ
すべて同じスートで、「10、J、Q、K、A」の5枚がそろった役です。
一般的なトランプでは、これが最強の役として扱われています。
■ストレートフラッシュ
すべてのスートが同一で、数字が連番で5枚そろった状態です。
数字は何番からでも構わず、例えば4~8までの組み合わせでも成立します。
■フォー・オブ・アカインド
同じ数字のカードが4枚そろった状態で、フォーカードとも呼ばれます。
数字は指定されず、4枚そろえばどの数字でも構いません。
■フルハウス
同じ数字のカードが3枚と、同じ数字のカードが2枚で構成された手札がフルハウスです。
■フラッシュ
同じスートが5枚そろった状態がフラッシュになります。
数字は連番でなく、バラバラの状態で構いません。
■ストレート
スートとは無関係に、数字が連続した5枚のカードがそろっている役です。
■スリー・オブ・ア・カインド
同じ数字のカードが3枚そろった状態で、スリーカードと呼ばれることもある役です。
数字はどれでも構いません。
■ツーペア
同じ数字のカードが2枚、2セットそろっている役で、数字はどれでも構いません。
例えば「2、2、5、5、7」という手札の場合、2と5のツーペアになります。
■ワンペア
5枚のカードのうち、同じ数字のカードが1組できた状態がワンペアです。
■ノーペア(ブタ)
上記に該当せず、役ができなかった場合にこう呼ばれます。
ノーペア同士だった場合、より強い数字をもつほうが勝ちになります。
ローハンドの役
■ワンペア
ローハンドは2枚のカードだけで決定するため、ワンペア以上の役を作ることはできません。
■ノーペア(ブタ)
ペアをそろえられなかった場合はノーペアとなり、ノーペア同士の場合はより強い数字を含んでいるほうの勝ちになります。
ジョーカーは基本的にはAとして使う
ファイブ・オブ・アカインドを成立させるためには必須となるジョーカーですが、原則としてそれ以外のシーンではエースとして使用します。
ただし、オンラインカジノによってはワイルドカードとして扱う独自ルールを採用しているところもあるため、ルールの確認は必須です。
この場合には、ジョーカーをどの数字の代用にも使えるので、役を作る上で重要なカギを握る存在になります。
両ハンドの分け方
両ハンドの分けるときには、ローハンドがハイハンドを上回らないようする原則のほかに、カードを受け取ったらすぐに役が成立するかどうかを確認する必要があります。
ここからは、役が成立している場合としていない場合に分けて解説していきます。
ストレートが成立している場合
■ワンペアのみが成立
ワンペアのみが成立している場合は、ハイハンドにワンペアを残し、ワンペアを除いたカードの中で一番のハイカードをローハンドに入れましょう。
■ツーペアが成立
ツーペアが成立しているときには、ツーペアをハイハンドに残す方法と、ワンペアずつに分ける方法を選択できます。
ワンペアずつに分けるときには、ハイハンドのほうがローハンドより強くなるように注意してください。
■スリーペアが成立
スリーペアが成立しているときは、ワンペアとツーペアに分けるか、スリーペアとそのほかのハイカードで勝負をすることになります。
ただし、スリーペアの中に「A」のペアが存在するときは、最強のペアである「A」のワンペアをローハンドに入れ、ハイハンドにツーペアを残すほうが勝率をあげられるでしょう。
■スリー・オブ・ア・カインドが成立
スリー・オブ・ア・カインドが成立する場合には、ハイハンドに残す方法と、ワンペアにする方法を選択できます。
「A」などの強い数字が3枚そろっているのであれば、ワンペアをハイハンドに残し、ローハンドにハイカードとして分けるのも有効といえますが、「2」「3」などの小さい数字の場合は、ワンペアにするメリットはないでしょう。
■フルハウスが成立
フルハウスが成立する場合には、ハイハンドにフルハウスを残す方法と、ワンペアをローハンドに、スリー・オブ・ア・カインドをハイハンドに分ける方法が選択できます。
フルハウス以外のカードの数字が強い場合は、ローハンドにハイカードを分けるのもいいですが、小さな数字のカードしかない場合には分割を検討してみるのもよいでしょう。
役が成立しない場合
役が一切成立していない場合には、ハイハンドに最も強いカードを組み込んで、ローハンドには2番目と3番目に強いカードを組み込みましょう。
パイゴウポーカーの基本用語

■ハイハンド
7枚配給されるカードのうち、5枚をセットするハンドを指す言葉です。
■ローハンド
7枚配給されるカードのうち、2枚をセットするハンドを指す言葉です。
■バンカー
対戦相手となるディーラーをこう呼びます。
■ハンスウェイ
ディーラーが定めたカードを配る際の戦略を指す言葉です。
■ハイカード
手札の中で最も強いカードという意味です。
相手と役が一致した場合に、より強いカードを基に勝敗を決める際に使います。
■ワイルドキャット
ジョーカーをこう呼ぶ場合があります。
一般的なポーカーではコールやレイズ、ドローなどの用語も使われますが、パイゴウポーカーはゲーム性の違いにより、これらの用語は使用しません。
他のプレイヤーと競うことがないため、コールやレイズの概念が存在せず、最初に配られた7枚の手札の組み合わせで勝負をつける都合上、ドローになる可能性もないためです。
まとめ
パイゴウポーカーは通常のポーカーをベースにしていますが、手札の組み合わせ方が独特であり、目指す最強の役が異なる点が特徴的です。
交換をしたり、他のプレイヤーと駆け引きをしたりすることがないので、基本的なルールと組み合わせの攻略法を押さえておけば、今すぐにでも勝負ができる簡単なゲームです。
ハンドの組み合わせには頭を使いますが、比較的短時間で1回のゲームを終えられるので、時間がない方にもおすすめできます。